このほどインド政府は、UFIA法(The Undisclosed Foreign Income and Assets法)<Black Money対策法>を施行致しました。この法令はインド国内インド人、NRI(Non Residence Indian)及びインド在留外国人等が保有するインド国外財産からもたらされる所得がインド税務当局に適正に納税されていないこと、及び外国資産を捕捉するためのものとなっております。当初は日本人駐在員を含む全ての外国人のうち、通常の居住者全てが全ての外国資産からの所得に対する納税及び確定申告書にて開示が求められておりました。然しながらその後のPress Releaseにて通常の居住者が保有する全ての資産のうち、インド非居住者ステータスの際に取得した資産であり、かつ、当該資産から所得が発生していないものは開示が不要と公表されております。今回は当該改正内容について解説致します。
インド在留日本人が日本国若しくはインド共和国どちらに個人所得税を納税するべきかを判断する一つのポイントは居住者か非居住者かというステータスによります(非居住者であっても納税する場合もあります)。一般的にインド赴任前の方は日本国で居住者となり、インド赴任後はインド共和国で居住者となります。よって多くの駐在員の方はインド赴任後、インド共和国だけに個人所得税を納税すれば足ります。
インド個人所得税法上、居住者のステータスは通常の居住者と非通常の居住者という二つのステータスに分類されます。多くの方は本課税年度であれば、2014年3月31日までにインドに滞在した日数が729日までの方が非通常の居住者となり、730日以上滞在されている方が通常の居住者となります。

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この通常の居住者の方は従来においても外国資産については確定申告書にて開示が求められておりましたが、今回のUFIA法により開示を怠った場合の罰則が非常に厳しいものとなっております。UFIA法に基づく税額が外国資産価額の30%、Penalty額が最大300%、別途100万ルピーのPenaltyに加え、6か月以上10年以下の禁固刑となっております。
ただ通常の居住者の方は従来全世界所得に対してインド税務当局への納税が求められており、今回のUFIA法によって変更があるわけではありません。即ち、全世界所得に基づき納税が求められておりますので、日本国での個人名義での銀行口座預金額も対象となりインド税務署へ銀行利息に対する納税が求められます。このようなインド赴任前のインド共和国非居住者のステータスの際に取得した資産であっても、インド共和国で通常の居住者のステータスの際に発生した所得は納税とともに確定申告書にて開示が必要となります。
銀行口座以外にも、所得が発生している場合は金融資産、不動産、その他資本資産、他者より受任している資産、法令に基づき開設されている信託及び事業所得は納税(一部日印租税条約にて納税は不要)及び確定申告書にて開示する必要があります。
最後に悩ましいところですが、X-VISA等にてインド共和国で滞在されているご家族で、インド国内源泉所得が発生していない場合であっても、日本国での銀行利息が発生している場合は確定申告が必要と思われる点に留意が必要です。

 

【情報提供先】Fair Consulting India Pvt.Ltd.
<代表者経歴> 岩瀬雄一   公認会計士(日本)税理士(日本)
2000年に大手監査法人東京事務所に入所。製造業を中心に、USGAAP、IFRS、日本会計基準の会計監査業務を手掛ける。’07年10月よりインド事務所に赴任し’10年11月に日本に帰任
2011年9月にFair Consulting India開業。複雑なインドの税務や手続きの多い会社等の設立は豊富な実務経験と、インド専門家のネットワークが不可欠です。
インド進出アドバイス歴8年以上の希少な日本人公認会計士を筆頭に実務に基づいたスピーディーなサービスをご提供。進出後の監査・税務なども日本語にてしっかりとサポート致します。東京・大阪の日本オフィスにおいてもお気軽にご相談も承ります。

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